NO.24 高齢者福祉施設のスプリンクラー工事



高齢者福祉施設のスプリンクラー工事
をご紹介します



スプリンクラー工事の分類

スプリンクラー工事というのは
分類の仕方はいろいろあるのですが、

一つの分け方として、

消火ポンプの圧力で
水を出すスプリンクラー

水道の水圧を使って
水を出すスプリンクラに分けることができます。

今回は水道の水圧を使って
水を出すスプリンクラー
お話しです。

つまり、消火ポンプを使わない
タイプです。

それでこの何が問題かというと、
配管の方法です。

ちょっと想像してほしいのですが、
スプリンクラーって結局、

滅多に使わないものじゃないですか。
使うとしたら火事で大変なときです。

なのでスプリンクラー配管の中の水は
止まったままなのです。基本的に。

???

水が止まるとは?

つまりスプリンクラー配管の中は
スプリンクラーヘッド 
(水が出る直前のところ)で

水が出ないまま止まっているのです。

水が出ない?いや出るけど
水が出ないまま、動かないまま

じっとしているのです。

水が止まったままだと
どうなると思いますか。

コップに水を入れて放置した場合を
考えてみてください。

3ヶ月後その水飲めますか?

飲めませんよね。

いやスプリンクラーの水を
飲むわけじゃないしと
思っていますよね。

でも今回の工事は
水道直結型のスプリンクラー工事
なのです。

動かない水と
飲料にも使われる水の

配管がつながっている
わけです。

ちょっと気持ち悪いですよね。

・・・・・・・
・・・・・・・

大丈夫です。
対策はちゃんと打ってあります。

実は水道直結型のスプリンクラーは
水が動く仕組みになっています。

基本的にスプリンクラー配管は
水道管(給水配管)に接続したあと

それぞれの部屋を一筆書きに
配管していき、最後に

トイレの給水配管につなぎます。

そうすると、トイレの水を流すたびに
スプリンクラー配管を
水が流れることになるので

水が止まることはないのです。
水が動けばその水が古くなることは

ないので、通常の水と同じ状態です。

よく考えられていますよね。

こんな感じ。各部屋を通りながら、
最終的にトイレに流す仕組みです。

衛生的な面はクリアできました。
でも、まだ一つ問題があるのです。

それは実際に火事が起きたときです。

先ほど水道管に接続したあと
一筆書きでそれぞれの部屋を
配管していくとお話ししました。

そうなると配管の長さは
結構な長さになります。

部屋数が多いほど長くなります。
スプリンクラーの配管は割と細いです。

その状態でスプリンクラーを作動させた
場合、末端の部屋へいくほど、

スプリンクラーの水圧がかなり低くなり、
水が十分に出なくなってしまいます。

水圧が足りないので、
ちょろちょろしか出ない。

なんのためのスプリンクラー?
ってなりますよね。

これが仮に消火ポンプがついている
タイプだったら、
そういうことはありません。

ポンプの圧力で水圧は
十分保たれるからです。

消火ポンプだったら、
水道と切り離されているし

衛生的な問題もクリアしています。
(防火水槽の水を使うので)

しかし水道の圧力では限界があります。

でも大丈夫です。
水圧が落ちないための対策はあります。


というわけでその対策を行った上で
今回の工事となりました。

ただ設計図は、
水道直結型で長距離の
一筆書き配管でした。

既設の建物で、人が居住していて、
天井内配管がねじ切りの鋼管による

配管(それも40A)で、
水圧が足りない。

水圧が足りないかもしれないと
考えたから40Aという太い管に
 した意図はわからなくもないが、

という設計でした。

問題はスプリンクラーヘッドに
40Aの配管はつなげないということ。

そのためスプリンクラーヘッドの数の
2倍の継手類を 用意しなければ
ならないこと。

そのほか、
ねじ切り、天井内配管で
異径(サイズ違い)の継手となり、
手間がかかりすぎる

という問題がありました。

そこで一部こんな配管は
どうでしょうかという
提案をしました。

それがこれです。


ピンクのラインだけ40Aの幹線配管
黄色で分岐配管を3箇所作り
3箇所のトイレに流す仕組みです。

これらの問題は官庁も絡んでいまして
止まった水の問題は

保健所や市の上下水道部。

水圧の問題は消防署。

それぞれにこうしますよということを
説明した上で工事に取りかかりました。

青い配管がスプリンクラー配管
天井裏の配管です。
普通に配管があると思うのですが、

この配管は新築工事で施工した
配管ではなく、すでに
天井がある状態から

新たに施工したので
(つまり天井裏に入って施工したので)

かなり苦労しました。





特に居室は人が住んでいるので、
居室にいない時間を作ってもらって

順番に配管していきました。
1階と2階で20部屋ありました。

トイレの配管はこれです。
トイレを使えば水が動く仕組みです



というわけで準備の段階から
施工まで今回の工事は課題が
たくさんありましたが

無事に完成することができました。

消防署の指導で
スプリンクラーをつけるように
言われたけれどどうしていいかわからない。

スプリンクラー配管で
困っている方がおられましたら

お電話ください。



武生(たけお)まで。
(株)武生テック

ツイッター
YouTube

コメント