NO.29 施工事例 ポリ鉄タンクの取替

下水処理場の仕組みを解説1


今回は下水処理施設の
一部を修理しました。

もうほとんど馴染みのない話です。

ただ少し知っておくと
何かの時に役に立つかもしれないので?

豆知識的な内容
お届けしたいと思います。

下水処理施設は
人々が使った汚れた水を

ある程度きれいにして自然に
戻す働きをしているのですが、

どういう仕組みできれいに
なっていくのかご存じでしょうか。

下水処理施設も浄化槽も
基本の仕組みは同じです。

規模が違うだけです。

解説していきます。

1.沈殿分離(水を寝かす)

基本は、汚れた水
(いろいろ混ざっているもの)を

一旦ためて寝かす。

その間に沈殿分離といって
重いものが沈んで軽いものが浮く。

最終的に水が上に来る。

生のフルーツジュースを放置すると
同じことが起きますね。

そのうわ水を別の水槽に移します。

2.ばっ気

その水に空気を加えて(ばっ気して)
中にいる微生物を活性化させます。

そうするとそのうわ水は
最初は濁っていたのが

だんだん透き通ってきます。

(微生物の力はすごいなあ
といつも思います)

その水を次の水槽に移します。

3.塩素消毒

最後に塩素を入れて
消毒して放流する、という仕組みです。

ここまでが前提の話です。
そしてここからが本題なのですが、

今回の修理は最初の段階で行われる
沈殿分離の工程に使われる

薬品のタンクを取り替えました。

下水処理施設ならではの工程です。

下水処理施設は流入してくる
汚水の量が多いので

沈殿分離を速くしたいです。
そのために汚水に薬品を加えます。

その薬品が通称ポリ鉄
というものです。

正式名称は
ポリ硫酸第2鉄です。

イソジンみたいな色をしています。

取扱注意の薬品です。

この液体の薬品を汚水に入れると
汚水中の固形成分にくっついて

沈むのが速くなるのです。

実際ポリ鉄は比重が大きいので、

10kgの水と同じ大きさで
25kgぐらいあります。

同じ大きさなのにかなり重いです。

これを一定量タンクにためておいて
汚水が入ってくるたびに少しずつ自動で
汚水に添加していきます。

そして今回取り替えたのが
このタンクです。


なぜ取り替えたかというと、
タンクはFRPでできているのですが

経年劣化のため破れてきて
ポリ鉄が漏れ出してきたからです。

タンク置場 ポリ鉄が漏れ出したあとがある

通常だったらタンクのメーカーに頼んで
取替か修理ということになります。

一応メーカーに聞いてみました。
修理でも取替でもとんでもない金額でした。

わかっていました。
そのタンクに会社名が書かれていても
実際はそこが作っていないことも。

そうなると高額になるのは
当然です。
(しかしながら法外な金額でした)

ここは弊社の強みを生かしました。

FRPといえば
漁船や魚の水槽に使われるものです。

弊社のある地域は漁港であり、
小さな造船所がいくつかあります。

造船所ではいつもFRPのにおいがしています。

そこの社長に聞いてみました。

「ああ、できるよ」

ということで、頼んだところ
メーカーに比べたら、格安の値段で
できました。

それがこれ。

タンク
下の部分を新たに補修しました

底もバッチリ もう漏れません


納めたところ


考えてみるものだと思いました。

FRP製品の修理などでしたら、
弊社でもお取り扱いできますので、

何かありましたら、
お電話ください。

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